DNA鑑定「MCT-118型」の不備 またしても

約20年前に実施されたDNA型鑑定を根拠に有罪判決を受けた中部地方の男性について、弁護側が鑑定をやり直したところ、犯人と男性のDNA型が一致しない可能性があるとする結果が出ていたことが分かった。弁護側は鑑定結果を「無罪を言い渡すべき新証拠」として、男性に有罪判決を出した中部地方の裁判所に再審請求を起こす方針。

 関係者によると、男性は約20年前、女性を暴行したとして有罪判決を受けた。当時のDNA型鑑定は再審で無罪が確定した「足利事件」と同じ「MCT-118型」と呼ばれ、現在より精度が低い方法だったが、現場に残された遺留物と男性のDNA型が一致したとされた。

 男性は刑が確定して服役し、既に出所している。最近になって弁護側が男性のDNA型を改めて鑑定したところ、犯人と一致しない可能性を示す結果が出たという。

 DNA型鑑定が犯罪捜査に使われるようになったのは1989年ごろ。当時は同じ型を持つ人が1000人に1人程度の精度だったが、現在は約4兆7000億人に1人というレベルにまで向上している。(毎日新聞)

足利事件に続いてのDNA鑑定「MCT-118型」の不備が見つかった。

おそらくまた「無罪」となるのだろう。

1000人に1人の精度でよく裁判の証拠として認めたものだ。

日本人だけでも犯人の可能性がある人は12万人いることになるので、冤罪となる可能性が残っている。

「疑わしきは被告人の利益に」の理念はどこに置いていってしまったのだろう。

それにしても、精度が悪いのも問題だが、今回は犯人と一致しない可能性があるということは、

「MCT-118型」はそもそも信頼出来ない

ということかと思う。

「MCT-118型」が決めてとなった人は8人いるそうだが、冤罪の可能性があるので全員再鑑定が必要だ。

現在のDNA鑑定は約4兆7000億人に1人の精度とのことだが、これでも人類の人口から考えれば完璧ではない。

可能性が高いだけなので「疑わしきは被告人の利益に」に従えば証拠となりえない気がする。

もちろんDNA鑑定は意味ないというつもりはない。

DNA鑑定が完全に役立つのは、

犯人ではない

ということを証明する際だと思う。

犯人の型と違っていれば精度の問題は関係なくなるので重要な証拠となり得る。

世界には「イノセンス・プロジェクト」というプロジェクトがある。

これは、1992年ニューヨークで始り、DNA鑑定が発達する以前に有罪となった受刑者に対してDNA鑑定を行い、無実の受刑者を探し釈放させるプロジェクトである。

現在232人(うち死刑囚17人)の無実が証明された。

現在はアメリカとオーストラリアが中心のプロジェクトだが、日本も参加した方がよいのではないだろうか。

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