日本相撲協会の北の湖理事長は、史上3人目の優勝30回を達成したモンゴル出身の白鵬へ引退後の一代年寄を贈る可能性を「年寄の資格は日本国籍を有しているもの。日本の伝統文化である以上、それはありません」と明言した。
年寄名跡を取得する協会の規定は日本国籍を有する者。白鵬はモンゴル国籍で年寄名跡を取得する資格を満たしていない。このため一代年寄の贈呈も規定外になる。理事長は今後、大鵬の32回を超え歴代1位の優勝回数に達しても「変えることはありません」。
現役のしこ名のまま年寄として協会に残ることができる一代年寄は過去、協会に著しく貢献した横綱に贈られてきた。大鵬、北の湖、貴乃花の3人が襲名している。優勝31回の千代の富士は理事会で贈呈が決まったが本人が辞退した。白鵬は日本へ帰化しなければ、引退後に親方として協会に残ることはできない。(スポーツ報知より)
そもそも「年寄」とは?
良く知られているのは、相撲部屋の親方である。
現役を引退した力士が親方となり、相撲部屋で弟子を育てる姿が一般的だ。
ただし、厳密に「年寄」は財団法人日本相撲協会の構成役員のことをいう。
給与は協会から支払われ、役職の付かない「年寄」でも年収1000万円を超える。
65歳で定年となり、退職金も支払われる。
「年寄」になる条件は
・日本国籍を有すること
・最高位が小結以上であること
・幕内在位通算20場所以上であること
・十両以上(俗にいう関取)在位通算30場所以上であること。
また、「年寄」となるには「年寄株」が必要で、購入した場合は億の値段がつくこともある。
「年寄」には105人の定員があり、現在満員である。
「一代年寄」とは?
現役時代の功績が著しかった横綱に対して送られる名誉賞のようなもの。
通常の「年寄」の権利である「年寄株」は売買したり譲渡したりできるが、「一代年寄」はその横綱一代にだけ与える「年寄」の権利である。
その為、「年寄」を引退した場合は消滅する。
白鵬は日本国籍を取得するか?
おそらく帰化して日本国籍を取得するでしょう。
2009年4月15日の外国特派員協会での記者会見で
「親方になって弟子たちをそだてたい気持ちはある」
と述べています。
妻が日本人ということと、この発言があるので日本国籍を取得するかと思います。
なぜ千代の富士(現九重親方)は辞退したのか?
「一代年寄」は名誉あることだし、「年寄株」を購入すれば億のお金が必要となるので通常辞退することは考えられない。
ではなぜ辞退したのか?
ヒントは引退後のTVインタビューにある。
インタビューでは、「故郷の北海道松前町に巡業に来てスカウトしてくれた恩師の元横綱千代の山こと九重親方の跡を継ぎたい」と話したそうです。
もし「一代年寄」となった場合は、千代の富士さんの部屋を持つことになり、九重親方の跡を継ぐことができません。
千代の富士(現九重親方)さんは、名誉よりも義理をとったわけですね。
ちなみに、歴代の優勝回数ランキング
1位 大鵬 32回
2位 千代の富士 31回
3位 白鵬 30回
4位 朝青竜 25回
5位 北の湖 24回
6位 貴乃花 22回
7位 輪島 14回
8位 双葉山 12回
8位 武蔵丸 12回
10位 曙 11回
白鵬の現状から考えると一位の32回を超えるのは間違いないでしょう。
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