埼玉・春日部市 生活保護費支給を命じる さいたま地裁

概要

春日部市に住む60代の女性が、市から受けた生活保護費の支給停止を取り消すよう求める訴訟を起こし、さいたま地裁が「市の対応は裁量権乱用の余地がある」として、判決の確定まで支給を命じる決定を出していたことが分かった。両脚が不自由な女性は、通院のために住宅を買い替えたが、市は「売却代金は生活費に充てるべきだ」として支給を打ち切っていた。

 同市や女性側弁護士によると、女性は40代の長男と二人暮らし。2010年からさいたま市で生活保護を受け始めた。11年の交通事故で両脚が不自由になり、戸建ての住居を約570万円で売却し、ほぼ同額のマンションを通院に便利な春日部市に購入して転入した。

 春日部市は女性の申請を受け、今年1月に保護費支給を開始。だが、「マンションを購入したために生活が困窮した」として自宅を売却するよう指導。女性が応じなかったため、6月から支給を打ち切った。(朝日新聞デジタルより)
http://www.asahi.com/articles/ASG953H1LG95UTNB004.html

生活保護と言えば不正受給の問題がある。

今回の事例は不正受給の匂がする。

春日部市の方が通院が楽?

春日部市60代の女性は通院に便利、と言っているがどんな病院に通っているのか。

あきらかに、さいたま市の方が病院がそろっていて、交通の便もよさそうだが。

こうなら納得出来る。

1.さいたま市のマンションからは病院が遠かった。
2.通院が楽になるように病院の直ぐ近くの物件を探していた。
3.さいたま市では見つからなかったが、春日部市の物件を見つけた。
4.自宅を売却し、その物件を購入した。

さいたま市

人口約122万人

春日部市

人口約23万人

年金はどうした?

60代ということで、少なくとも繰り上げ年金を受給出来るはずだ。

それをしない、ということはこれまで年金保険料を払ってこなかったのか?

年金保険料を真面目に払った人は年金をもらい、払わなかった人は生活保護費をもらう。

というのでは保険料を払うモチベーションが上がらない。

ただでさえ破綻しそうな年金制度なのだから生活保護費の支給は厳しくすべきだ。

40代の長男は働いていないのか?

40代ともなればそれなりの年収になるはずだ。

母親の生活費の面倒を見ることぐらいできるでしょう。

それをしていない、ということは長男も生活保護受給者なのかな?

と、ここまで不正受給の匂いをかいでいるような気分で疑問を呈してきた。

しかし、朝日新聞の記事にはない事実を見つけた。

疑問は東京新聞がといてくれた

東京新聞によると、

60代の女性と40代の長男は、ともに重い病気だった。

⇒なのでまともに働くことが出来なかった。

主治医のいる病院は春日部市内の病院だった。

⇒なので両足が不自由になった時点で通院が困難になった。

主治医が春日部市内に引っ越すように勧めた。

⇒なので女性は春日部市内に引っ越した。

そして、春日部市は即時抗告したが、高裁は棄却している。

ということで、今回の事例は、不正受給の方の問題ではなかった。

本来生活保護を受ける必要のある、本当に困窮している人が受給出来ていない

という方の問題だった。

この問題も大きな問題だ。

自己主張の激しい人は必要以上の権利を主張し、得をする。

一方、控えめな人は正当な権利を主張せず、損をする。

何とかならないものか。

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