労働者健康福祉機構 障害者雇用人数改ざん それほど悪質ではない

事件

概要

労働者健康福祉機構雇用率水増し
(ANNnewsCHより)

厚生労働省所管の独立行政法人で、アスベスト、産業中毒等の労災に対して医療と早期の職場復帰の支援をする労働者健康福祉機構が、平成22年から今年までの5年間にわたって、障害者の法定雇用率を満たしているように報告書を改ざんしていたことがわかった。

障害者雇用促進法について

事業主に対して、全従業員の割合いに応じた障害者の雇用を義務付けた法律。

独立行政法人については、
障害者雇用率2.1%(平成22年~平成24年)、2.3%(平成25年以降)

もし雇用率に満たなかった場合は、不足人数×5万円を納付する必要がある。

また、虚偽の報告は30万円以下の罰金となっている。

労働者健康福祉機構の改ざん

改ざんした報告

平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年
法定雇用障害者数の算定の基礎となる労働者数(人) 8,656 10,584 11,389 11,790 12,641
障害者の数(人) 192 222.5 241.5 273 293
実雇用率(%) 2.22 2.10 2.12 2.32 2.32
不足数(人) 0 0 0 0 0

訂正した報告

平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年
法定雇用障害者数の算定の基礎となる労働者数(人) 10,460 12,843.5 13,306 13,726 13,999
障害者の数(人) 83 97.5 124.5 194.5 247
実雇用率(%) 0.79 0.76 0.94 1.42 1.76
不足数(人) 136 171.5 154.5 120.5 74

(平成23年の①の労働者数の0.5人というのが意味不明、何で割ったのだろう)

訂正した報告を見ると、毎年法定雇用率を満たしていない状態だが、徐々に率が上がってきている。

法令違反には違いないのだが、障害者雇用をないがしろにしたいという意図は感じられず、雇用率を満たそうと努力していることは感じられる。

おそらく数年後には雇用率を満たしていただろうと予想出来る。

なので、それほど悪質ではない、といえる。

障害者雇用を満たしていない事業者などいくらでもある。

ただし、問題は労働者健康福祉機構が厚生労働省所管の独立行政法人ということだ。

障害者雇用を進めているのが厚生労働省であるのに、その外郭団体が実は障害者雇用数を満たしておらず、さらに改ざんまでしていたという事実は影響が大きい。

これでは民間の事業者も積極的に雇用しようという気にならなくなる。

悪質ではないがマイナスの影響が大きい。

障害者雇用について

障害者を雇用することは事業者にとって経費だけではなく、他の従業者への精神的負担が大きいだろう。

日本全体として、まだまだ障害者に対する理解は深まっていないのが現状だ。

障害者であってもごく普通に働ける人は沢山いる。

特に身体傷害であれば出来る仕事は多数ある。

厚労省としては単に事業主に負担を強いるだけではなく、もっと障害者への理解が深まるように啓発していくことが重要かと思う。

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