概要
海上保安庁によると、小笠原諸島近海に中国漁船がサンゴの密漁の為に押し寄せているそうだ。
発表は10月15日に定例記者会見。
佐藤藤雄二長官によると、中国漁船とみられる船が10月13日に46隻、10月14日に31隻確認したという。
昨年沖縄近海で違法操業していた中国漁船が逮捕されたのを受け、小笠原諸島近海に移動してきたとみている。
確認によると日本領海への侵入はなかったとのこと。
領海侵入なしだけでは発表として足りない
日本領海に侵入していなかったらしいのだが、それで問題なしと考えるのは間違っている。
日本のEEZ内での違法操業がなかったのかどうか発表してほしいものだ。
どちらだろうか。
日本のEEZで違法操業していたのだろうか。
当然ながら日本領海よりもEEZの方が広いわけで、もしEEZで違法操業していなかったのであれば、そのような記載のニュースになると思われる。
想定されるケース
1.中国側に配慮した
日本の中国漁船の取り締まりは尖閣問題以降、非常に弱腰であり、違法操業であっても取り締まらないイメージがある。
10月5日に中国漁船の船長・許益忠容疑者(39)が逮捕されたが、この時は日本領海内で違法操業していた。
なので日本領海内での操業には法に則って逮捕するが、EEZでの違法操業は甘くしているかもしれない。
2.広すぎてEEZの取り締まりを出来ない
日本の領海とEEZを合わせた広さは世界で6位の広さだ。
この広さをカバーする能力が現状の海上保安庁にはない可能性がある。
現状尖閣諸島近海の監視にリソースを取られているため、小笠原諸島近辺のEEZで取締りを出来ないのかもしれない。
だから、EEZでの違法操業については発表においても触れなかったのかもしれない。
日中のみならず中韓でも問題となっている
韓国のEEZ内で違法操業する中国漁船
(中央日報日本語版より)
現状中国と韓国は、韓国のEEZでの中国漁船の違法操業で揉めている。
中央日報日本語版(韓国の新聞のホームページ)によると、韓国側のEEZである全羅南道木浦沖に700隻の中国漁船が違法に操業しているのを確認したという。
中国と韓国が揉めているのは、10月10日違法操業していた中国漁船を韓国海洋警察が取り締まった際に中国漁船の船長が発砲し死亡させた為。
韓国側は中国漁船の乗組員が抵抗した為としているが、中国側は死亡者が出たことで強い不満を表明している。
日本近海での中国漁船も同様に抵抗してくる可能性がある。
海上保安庁としては危険を伴う任務となるが日本の法律に則ってしっかりと取り締まってもらいたい。
引用
海上保安庁の佐藤雄二長官は15日の定例記者会見で、東京都の小笠原諸島の周辺海域を航空機で監視したところ、中国漁船とみられる船を13日に46隻、14日に31隻確認したと明らかにした。
領海侵入はなかったという。
同諸島周辺では9月頃からサンゴの密漁を目的とする中国漁船が多数押し寄せており、今月5日には横浜海上保安部が密漁していた中国漁船の船長を逮捕した。佐藤長官は「昨年、沖縄近海で操業していた漁船が移動してきたとみられる。一獲千金を狙った違法な操業と考えている」と述べ、領有権をアピールする尖閣諸島周辺の動きとは性格が異なるとの見方を示した。
日本近海には良質なサンゴがあり、高価なものは1キロ600万円で取引されるケースもあるという。(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141016-OYT1T50087.html?from=yrank_ycont
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