ネット証券最大手のSBI証券は12日、スマートフォン(高機能携帯電話)の無料通話アプリ「LINE(ライン)」を使って株式を売買できるサービスを始めると発表した。
LINEの「ビジネスコネクト」という機能を活用し、顧客との1対1でのやり取りの中でサービスを提供する。(1)銘柄コードを入力すると株価を通知する(2)現物株の売買注文(3)約定の通知-などのサービスを9月以降、順次始めるという。
LINEの主要利用者である10代20代は株売買に必要な資金を持っていないし、ほとんど興味を示さない気がするが、SBI証券の狙いは何か気になった。
株の売買は専用アプリがあり、専用アプリと証券会社データベースと連携してサービスを行うのがふつうである。
それが、コミュニケーションが主目的のLINEで株売買というのはなかなか考えにくい。
考えにくく、まだ誰も手を付けていないからこそ、SBI証券はチャンスと見たのだろう。
鍵はどうやら「ビジネスコネクト」にあるようだ。
ビジネスコネクトとは
LINEがAPI(外部サービスと連携可能とする仕組み)を公開したことで、企業が持つ業務アプリケーションと連携することが出来るようになった仕組み。
LINEの持つ顧客層に自社サービスを紹介しながら、その顧客を自社の持つアプリを利用させることができる。
SBI証券の狙い
株売買に興味を持っていても、まだまだ敷居が高いと思っている人に株売買の魅力を伝え、顧客として取り込もうとしている。
「ビジネスコネクト」のおかげで、LINE上での株売買が楽に実施可能となった為、まずは入口を用意したと考えればよいだろう。
LINEでの株売買はあくまで入口であり、最終的には専用アプリでの売買まで持っていこうとしている。
年齢が上がれば株売買を行う人が増えるので、
若年の内に顧客を取り込んでおき、長期間の顧客に育てたい、
という狙いのようだ。
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