「アイヌもういない」の金子快之議員 所属会派は処分せず

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報道陣に囲まれる金子議員
(北海道新聞Webより)

札幌市議で自民党・市民会議所属の金子快之(やすゆき)氏(東区選出)が短文投稿サイト「ツイッター」に「アイヌ民族なんて、いまはもういない」と書き込んだ問題で、札幌市議会の他の主要会派は18日、書き込みの内容や、問題視しないことを決めた自民党の対応を一斉に批判した。

 自民党の村山秀哉幹事長は金子氏から事情を聴いた後、記者団に対し、金子氏が百科事典の記述を引用してツイッターを書き込んだと説明。「アイヌ民族についての見解は議員それぞれだ」として、処分などを行わない考えを示した。 (北海道新聞Webより)

「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」においても「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」においても、「アイヌ民族」の定義は示されていない。

使われているのは「アイヌの人々」という言葉だ。

国家はアイヌ民族の定義をしていないのだから、「アイヌ民族についての見解は議員それぞれだ」というのは正しいかと思う。

これに先立ち、金子氏は17日付のブログで、世界大百科事典(平凡社)の2005年版から「民族としてのアイヌは既に滅びたといってよく、せいぜいアイヌ系日本人とでも称すべきものである」との記述を引用し、「私が述べたこととまったく同じ」と強調。これに対し、ブログには、この百科事典の記述が「差別を助長しかねない」として07年版から改訂されているとの指摘が相次いで寄せられた。(北海道新聞Webより)

アイヌについて研究していた学者の研究結果が2005年版の世界大百科事典に載っていたが、「差別を助長しかねない」として2007年に改訂された。ということか。

つまり、

「純粋なアイヌはいないけど、それを言っちゃうと差別になるから言わないでね」

ということだね。

アイヌ系日本人と呼ぶことの何が差別なのだろう。

人種的事実、歴史的事実かと思うのだが。

アイヌ系日本人をアイヌの人々と呼び、文化の振興し、困窮しているのであれば生活の補助を実施していけばいい。

一方、国政で連立与党を組む公明党の阿知良寛美幹事長は「アイヌ民族は国会でも決議した日本の先住民族で、その誇りを汚したに等しい。地方議員の軽はずみな発言が問題になっている中、議員の資質が問われる」と厳しく批判した。 (北海道新聞Webより)

金子議員の主張は、

「純粋なアイヌ人はいない、いるのはアイヌ系日本人である」

ということだ。

前半部分だけを切り取って、さも軽はずみな発言に思わせるメディアのやり方が問題かと思う。(このブログ記事もちゃっかり同じやり方をしているけどね、、、インパクトがあるから、、、)

アイヌの人々はアイヌ系日本人と呼ばれると、誇りを汚された、と思うのだろうか。

民主党・市民連合の大嶋薫会長は「処分も撤回もしないということは、自民党としてアイヌ民族の存在を否定する発言を受け入れたことを意味する」と述べ、議長に対応を求める申し入れを検討する考えを示した。 (北海道新聞Webより)

「アイヌ民族」とはどの人たちを指すのか明確な定義がないからややこしくなっている。
国は北海道アイヌ協会に任せるのではなく、明確に定義し、認定すべきかと思う。

 また、共産党の宮川潤幹事長は「(金子氏が批判した)アイヌ民族への市の住宅融資制度は運用の問題で、(民族の存在とは)別次元の話。対応しなければ自民党としての責任が問われる」と指摘。 (北海道新聞Webより)

全体としては、この人の発言は割と好感を持った。

前半部分で、金子議員が問題としたい内容についても述べている。

その上での批判となっている。

発言の揚げ足取りに終始する人とはわけが違う。

こういう人とは建設的な議論が出来るのではないかな。

市民ネットワーク北海道の小倉菜穂子会長も「会派で問題にしないのは理解できない。政府は『民族共生の象徴空間』の準備を進めているというが、本気か疑いたくなる」と話した。(北海道新聞Webより)

集団の中に一人異端者がいたら、その集団全てが異端だ、と呼ぶような極端な発言だ。

政府は地方議員の一人が例え何を言おうとも粛々と進めるでしょう。

と、ここまで金子議員の発言に問題がないとの解釈でコメントしてきたが、最後に私の考える金子議員の問題点について。

「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」

(施策における配慮)
第四条  国及び地方公共団体は、アイヌ文化の振興等を図るための施策を実施するに当たっては、アイヌの人々の自発的意思及び民族としての誇りを尊重するよう配慮するものとする。

「民族としての誇りを尊重するよう配慮する」と記載されている。

なので、「アイヌはいない。いるのはアイヌ系日本人だ」という発言はもう少しオブラートに包めばよかった。

「アイヌはいない」という言葉のインパクトが強すぎて、その次に真意の発言をしても耳に残るのは「アイヌはいない」だけになっている。

今回の騒動で批判している人のほとんどが、この発言の前半部分だけで批判しているのではないかな。

だから、金子議員は、配慮が少し足りなかった。

配慮が足りなかったという事実に対しては素直に謝罪すれば良かったかもしれない。

自民党・市民会議会派としては、金子議員に処分する必要はないが、アイヌとの付き合い方、言葉の使い方について指導しても良いかもしれない。

前回記事「金子快之議員のアイヌに関する主張とは何なのか、またどんな人なのか

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