タカタ製エアバッグ搭載車両相次ぐリコール

タカタは、世界2位の自動車安全装置メーカーであり、各社信頼を寄せているメーカーだ。

そのタカタ製エアバッグを搭載した車両を、最近、自動車メーカー各社が相次いでリコールしている。

7月18日、三菱自動車は、「ランサー」を米国でリコールすると決めた。

7月16日、BMWは、先々代「3シリーズ」を全世界で約160万台リコールすると発表した。

7月8日、富士重工業は、「インプレッサ」など約1万台をリコールすると発表した。

6月26日、GMは、「シボレー・クルーズ」約3万3000台のリコール準備をすすめると発表した。

6月23日、ホンダ、日産自動車、マツダは全世界で約294万台をリコールすると発表した。

6月11日、トヨタ自動車は、「カローラ」などを全世界で約227万台リコールすると発表した。

そもそもタカタ製エアバッグについては2013年に不具合が報告され、各社リコールしている。

タカタ製エアバッグの何が問題かというと、エアバッグを膨らませるガス発生剤だ。

急停止等でエアバッグが膨らんだ際にガス発生剤の金属容器が破損して、その金属片がエアバッグの外に飛び出す恐れがある。

この恐れは前々から指摘されていた。

2009年5月、オクラホマ州でホンダ「アコード」を運転していた18歳の女性が車両を衝突させた。その際にエアバッグが作動したが爆発し、金属片がけい動脈を切断した。

その半年後、バージニア州では33歳の女性が同様の事故で死亡した。

人命を守る為のエアバッグにより人命が失われるとは何とも言えない。

数年の調査により、ようやく不具合の恐れを事実と認めることとなった。

問題のガス発生剤は米国工場で製造されているが、製造過程において圧力が足りない場合上記の破損につながるガス発生材が出来てしまう。

製造過程では、圧力の足りないガス発生剤を除去する機能が備わっているのだが、その機能を作動しなかった時期があることがわかった。

なので、その時期に製造したエアバッグのいくつかは不具合のあるガス発生剤を利用していることになる。

ということで、その間に製造したエアバッグを搭載した車両すべてをリコールすることとなった。

この対応でリコール問題は収束する予定であったが、ここにきてまた大量リコールとなったのは新たな問題が見つかったからだ。

その問題は2点ある。

1.圧力不足ガス発生剤除去機能のオンオフの記録が手書きであり信頼できない事

2.圧力不足ガス発生剤除去機能を作動させた時期に製造したエアバッグで不具合が起こった事

これらの問題により、米国工場で製造されたエアバッグ全ての安全性が担保されなくなったことがわかり、今回の大量リコールとなった。

少し個人的な感想。

問題点1については、このIT時代において何とアナログなことか、と思う。


IT
化していない機械を用いていれば機械自体は記録を残さないかとは思う。

しかし、紙に印字させるぐらいは簡単ではないか?

またはオンオフの状態をカメラで監視していれば記録として残るのでこれも簡単に導入できるのではないか?

圧力不足ガス発生剤除去機能が確実に起動しているということの重要性をあまり認識していなかったということでしょう。

タカタ社の安全管理意識の低さが露呈してしまい残念です。

問題点2については、圧力不足ガス発生剤除去機能の信頼性まで疑われる問題だが、そもそも問題点1があるので実際に問題があるかどうか不明ですね。

でも不明で済ませることは出来ないので、機能が正常に動作することの確認はする必要があるでしょうね。

今回の件でタカタ社はどれほど信頼を失ったことだろう。

株価を見ると、2014年1月27日時点で3300円であった株価が本日1916円まで下落している。

一度失った信頼を取り戻すのは大変かと思うが、これまで車の安全に尽くしてきた企業なので、これからは安全管理を徹底し、車がさらに安全になるよう力を尽くしていってもらいたい。


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