ブラック企業で有名なワタミの店舗 わたみん家 大船店 店長の森谷明博さんが実名で雑誌「プレジデント」に思いのたけをぶつけている。
色々ツッコミどころがあるので、抜粋して紹介していく。
ワタミ店長実名告発!「僕は目の前の焼き鳥が冷めていくのが耐えられない」
これを見た瞬間に、現役の社員がワタミ批判をしたのか!と思った。
しかし、中身を読めばわかるのだが、批判どころか擁護している。
一社員の会社に対する熱い思いの紹介に見えるが、ブラック企業というレッテルを剥がしたいという会社の意思が介在している。
それにしても、「告発」の使い方が間違っている。
「告発」とは、悪事を暴き、処罰を求めることをいう。
森谷さんが「告発」したいのは、ワタミを「ブラック」と呼ぶ人達なのか?
僕の原点って大学の寮なんです。寮生たちと「ワッショイ、ワッショイ」と言いながら大騒ぎする。その笑顔って忘れられない。だから僕が目指すのは、お客様の笑顔、満足度、感動、涙を生み出し、働く仲間が笑顔で働けるような店です。
「ワッショイ、ワッショイ」するのが好きな人は良いが、働く人全てがそうではない。
「ワッショイ、ワッショイ」大騒ぎと「笑顔」も イコール ではない。
「ワッショイ、ワッショイ」大騒ぎと「働く環境」も イコール ではない。
「ワッショイ、ワッショイ」大騒ぎ(を強要させられる)と「ブラック企業」の方がイコールに近い気がする。
「お客様の笑顔、満足度、感動、涙を生み出し」とあるが、「わたみん家」というのは「安さ」が魅力の店だ。
食べログを確認すると、夜の予算が2000~2999円となっている。
居酒屋としては相当安い予算で食事出来る。
なので、安ければ満足度はあるかと思う。
そして、安いのにそこそこの味、そして量があれば笑顔も多少あるでしょう。
そして、そして、感動し、感極まって涙を流す・・・
これはないな。
高級店で美味しい物を食べるのとはわけが違う。
あくまで「わたみん家」という「安さ」が勝負のお店である。
従業員にはきちんと休んでもらっていますけど、僕はこれからも働きますよ。「ブラックだ」なんて声は関係ない。
店長が積極的に休まないと従業員は休みづらくなるでしょう。
その働き方が従業員に圧力となって働かざるを得ない状況を作っている。
そしてそれが「ブラック」と呼ばれるにゆえんだ。
会社に必要とされているかすらわからない週休2日の悠々自適の人生もいいでしょう。だけど社会から必要とされるべく毎日懸命に働く人生にだって価値はある。
「週休2日」がなぜ、会社に必要とされているかすらわからないのか。意味不明。
「週休2日」が悠々自適と考えている時点でもうおかしい・・・。
「毎日懸命」に働かなければ、社会から必要とされない、と考えるのもおかしい。
「毎日懸命に働く人生にだって価値はある」、価値があるのは確かだ。
ただし、問題はそこに価値を見出す人と、見出さない人がいることだ。
そして、価値を見出さない人にその価値を押し付けて働かせることが問題となっている。
そこが「ブラック」と呼ばれるゆえんだ。
本音を言えば、自分の5歳の息子と3歳の娘ともっと話したいし、だっこしてあげたい。だけど、がむしゃらに仕事する僕の背中からいつか何か感じ取ってくれるだろうと信じています。子どもが大人になったとき、「お父さんてすごいなぁ。僕も頑張らなきゃ」という心のバトンを渡したいのです。
いい事を書いている文章なのだけど、少し惜しいな。
せっかくバトンの話をしているのだから、森谷店長の子供時代にお父さんの背中から感じたエピソードを入れれば良かったのに。
親から子供へ、そしてその子供が成長し親となった後に、さらに子供へ。
といった連鎖がある方が「心のバトン」の文章が引き立った気がする。
例え嘘でも。
一生懸命働くことがダメだなんて僕には信じられない。本当の優しさ、人生の重さ、そういったものが、苦難やしんどいことから逃げ続けて得られるとも思えない。
ここでは一般論を展開し、論理をすり替えようとしている。
「一生懸命働くこと」がダメだなんて誰も言っていない。
苦難やしんどいことから逃げ続けることは良くないでしょう。
しかし、ワタミの働き方を拒否することが逃げることではない。
労働基準法第32条では1週間40時間、1日8時間と勤務時間の上限が定められている。
この範囲内で働くことに文句をいうことは出来ない。
時間外労働、休日労働も法令で認められているが、あくまで必要最小限にとどめなければならないものである。
時間外労働、休日労働はやって当たり前という考えを持っているのであれば、一度、労働法についてしっかり学んだ方が良い。
いや、管理職であれば学ぶべきだ。
サービス業に求められることって、すごく単純なことだと思うのです。自分の感動を思い出すこと、それを人に伝えて共有するために一生懸命になること。そうすれば、人手が足りないなんて嘆かなくてもいいようなすばらしいスタッフに恵まれるはず。僕はどんなに急な坂道も、お客様とスタッフと一緒にワッショイ、ワッショイと笑い飛ばして駆け上がりたい。
つまり、都合の悪いことには目をつぶって「ワッショイ、ワッショイ」したいということか。
スタッフにも、つべこべ言わずとりあえず「ワッショイ、ワッショイ」しろと強要する。
そのゴリ押しが「ブラック」と呼ばれる原因でしょうね。
わたみん家 大船店
店長:森谷明博
住所:神奈川県鎌倉市大船1-24-10 第3ウエキビル 5F
電話:050-5872-0666
コメント